1960年代、無名のミュージシャンがニューヨークの音楽シーンを駆け上がる物語

2025年02月28日公開
僕が見たボブ・デュラン(Bob Dylan)
個人的に見たボブ・デュラン(Bob Dylan)は、2018年にFUJI ROCK FESTIVAL!
それまで何度か来ていたが、チケットが高い。なんだかライブが長そう
色々なイメージでLIVEは観たことはなかった。FMラジオ局やAMラジオ局で音楽番組を
担当する事が多かったので、好きな曲もあるし大体の経歴も知っている。
彼の曲で最も放送で選曲したのは「Like A Rolling Stone」だと思う。
そんな彼を観た初めてのライブは衝撃を受けた。1曲も知っている曲が無かったからだ。
正確に言うと、曲のアレンジが変わり過ぎていて、何となく聞いているだけだと
分からない。「風に吹かれても」??となった。しかし、これが今でも現役を続ける
レジェンドだと思ったし、あの場で、音楽を誰よりも楽しんでいたのは彼だと思う。
苗場の風が、とても心地良かった事を覚えている。
今度は、もっと体力が残っている状態で、彼のライブを見たいと思っている(笑)
そんな僕でも、非常に楽しめた2025年最高の音楽映画のご紹介です。
物語のあらまし
60年代、後世に大きな影響を与えたニューヨークの音楽シーンを舞台に、
19歳だったミネソタ出身の無名ミュージシャン、ボブ・ディラン。
彼の持つ歌と神秘性が世界的なセンセーションを巻き起こし、フォーク・シンガーとして
コンサートホールを沸かせチャートを駆け上った、正にアーティスト
ボブ・デュランが爆誕した時代と、
1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルでの画期的な
エレクトリック・ロックンロール・パフォーマンスで頂点に立つまでを
描いた作品。
ボブ・デュラン(Bob Dylan)
1941年5月24日アメリカ合衆国ミネソタ州ダルース生まれ 現在83歳
20世紀最大の詩人・パフォーマーでありながら、今なお現役ミュージシャンとして舞台に
立ち続ける“生きる伝説”ボブ・ディラン。とも言われ、日本でも人気の高い
シンガーソングライターの無名時代から人気を集め伝説となったライブまでが描かれる。

ボブ・デュランの出生については謎!?
個人的にボブ・デュランを熱心に聴いた世代でもないので、彼の出生や幼少期のことなど
聞いたことが無い。元々僕が聴く頃には、もうレジェンドクラスのアーティストだった。
映画では彼が、突然現れ、そして多くのアーティストに出会い、駆け上っていく
およそ1960年初頭ごろから1965年までが描かれている。
まっ劇中では濃厚な5年間が描かれているが、もう少し出生について知りたかったと
言う気分にはなった。知らなくても楽しめるけど。。。
原作は、2015年に出版されたイライジャ・ウォルド著の『Dylan Goes Electric!』
極上の音楽映画【名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN】
ボブ・デュランを中心として勿論描かれるが、当時の音楽シーンについても描かれている
ティモシー・シャラメ演じるボブ・デュランがエドワード・ノートンが演じる
ピート・シーガーと出会い、プロの音楽シーンへ紹介される。
ジョニー・キャッシュ、ウディ・ガスリー、アル・クーパーと60年代のフォークシーンを
代表するアーティストたちも登場し、その渦の中でデュランが自身の音楽を発見し
スターダムにのし上ってストーリー。そして何処までが再現されているかは分からないが
名曲「風に吹かれて」、「ライク・ア・ローリング・ストーン」が誕生するシーンなどは
見ていてワクワクする。ギターを片手に歌詞を繰り返しボソボソ呟き、言葉を紡いでいく
シーンは、知らないのにボブ・デュランぽい!と思い見ていて楽しかったし、名曲が
生まれる瞬間を見れた気分になる。
劇中のボブ・デュランを演じたのは、新時代のスターとして頂点に立つティモシー・シャラメ
この映画のプロデューサーとしても名を連ねている。
作品の中に吹き込まれたリアル。演奏と歌唱は、5年半に及ぶ研究から
劇中のボブ・デュランを演じたティモシー・シャラメ。この映画には、ギターを弾き作曲するシーンや
人前に立ちライブするシーンに説得力がある。
それは、製作期間中に意図せずコロナ禍が訪れたことで、実に5年にも及ぶ時間をディラン役に
没入するための準備期間としてあてられたとか。シャラメは、ボイスコーチと共にディランの
パフォーマンスを研究し続けるだけでなく、ギターとハーモニカまで自身でマスター。現場では、
あらかじめ録音された音源を流しながら演技し、撮影していく準備も取られていたのだが、
シャラメが自身での実演と生歌唱を譲らずにやり遂げたんだとか。
彼は「魂を伝えるために実演こそ重要だった。枠にはめられないことに最も感銘を受けた」
力強く語っているように、そこに誰よりも強いこだわりがあったことも伺える。
シャラメが、人並みにしか知らなかったディランについての理解を徹底的に深める事により作品に
リアリティーと深みを与え、素晴らしい役者魂を感じる。ティモシー・シャラメによる珠玉の
パフォーマンスが堪能できる『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』。
ボブ・ディランが“伝説”と呼ばれる始まりを、ぜひ劇場で見てほしい。